宇津木式スキンケアを始めて2回目の冬を迎える。
去年の1月は、宇津木式スキンケアを始めてから約半年経過で、やっと肌が乾燥するのを防ぐための白色ワセリンを使わなくてもOKな日が増えてきた頃。
そこから更に1年経過しての現在、白色ワセリンを使うこともなく、湿度が低かろうが外の冷たい風が肌にあたろうが乾燥で肌が耐えられないなんてことは全くなくなりました。
洗顔後に肌がバリバリと乾燥してくるのを防ぐための白色ワセリンを使わなくてもよくなったことで、「『肌』の悩みがすべて消えるたった1つの方法―美肌には化粧水もクリームもいりません」に書かれているこの言葉が本当なんだということを実感。
たとえば、角質の中にある水分は、何種類ものアミノ酸やたんぱく質と結合したり、電解質になったりして存在しています。ただの真水でもなければ、ただの電解質でもありません。アミノ酸やたんぱく質といった分子と結合していたり、電解質を含んだ不凍液のような状態になっている。だからこそ、湿度が10パーセントを切っても蒸発しないし、マイナス40度でも凍ることはないのです。そのおかげで、湿度が10パーセントを切るような砂漠を何日走っても、水さえ飲んでいれば、ミイラのように乾いてしまうことはないし、マイナス40度の極寒の地で働いても、皮膚の表面が凍って、ちょっと笑ったら肌がパリッと割れました、なんてことはありません。
色々なメーカーからでているどんなに高い保湿のための化粧品を使おうが、洗顔後に保湿が必要な肌というのは、きっと下の写真のようなイメージなんじゃないかと思います。肌の乾燥を防ぐための角質層が壊れてスカスカだから乾燥してしまう。
保湿のための化粧水やクリームを使って潤っている感じになっても、使わなければ潤わないのであれば肌がスカスカの状態であることに全く変わりがない。笑ったりしゃべったりして顔の表情を変えるたびに肌が伸び縮みしますが、スカスカ肌の状態にとってはその繰り返しの伸び縮みの負荷が大きく、保湿を必要としない人の肌と比べて早く劣化していきます。
考えてみれば、これって普段つかっている革製品が古くなっていくときの過程と同じですよね。
- 油分が抜けてきた革製品は痛みやすい
- 傷が付くと、その傷が更に広がりやすい
- 曲げたり伸ばしたりするところから痛みやすい
人の肌の場合は、もっと最悪なのが毎日の洗顔で油分を落とし、とても大切な自家保湿因子を落としてしまうということ。
もし、毎日革製品をクリーナーで磨いて保護剤を塗るということを繰り返したら・・・きっととんでもない早さで革がボロボロになっていってしまうことだと思います。
人の肌は再生能力があるとはいえ、毎日化粧で肌に負担をかけ、更にそれらを毎日念入りに落とすということを繰り返していると、肌が一番いい状態に戻る暇がない。
乾燥肌に悩んでいる人の割合に関する情報を検索してみれば、「主婦1,000人に大調査!95%が乾燥肌を繰り返している!」というデータがあるようです。しかも、「年々ひどくなっている」という人が多い。
じゃあ、なんで肌が乾燥するのか?という理由は、化粧品メーカーと「『肌』の悩みがすべて消えるたった1つの方法―美肌には化粧水もクリームもいりません」を書いている宇津木先生とでは、決定的な違いがあるところが面白い。
化粧品メーカーは、化粧品を売るのが仕事です。だから、化粧品を売るのに不都合は情報には触れません。
資生堂グループの「知って、なるほど化粧品 どうして肌は乾燥するの?」のページでは、乾燥する理由は、「睡眠不足・紫外線・加齢・ストレス・体調不良・ビタミン不足など」と書いてあります。
化粧品や洗顔も乾燥肌の原因になるとは一言も触れてない。
書いてあるのは、「化粧水・乳液を使おう。角質を育もう。」ということ。ようは、化粧品を買えってことだね。
対する、形成外科の宇津木先生の言葉を見ると「化粧品に含まれている油や界面活性剤が、肌のバリアをこわして刺激している。化粧品をやめるだけで、洗顔後の肌のつっぱり感がなくなり、年々確実に肌がきれいになることもわかった」と書いてあります。
化粧品メーカーとは肌を乾燥させるための商品を売り、肌を保湿する商品を売る。でも、化粧品は医薬品じゃないからね、化粧品使って角質がスカスカになったままの肌を改善できないから保湿し続けなきゃいけないことになってしまってる。
もうひとつ対称的なことは、角質の扱いです。
化粧品メーカーのほとんどが強調しているのが、「古い角質は落とさなければいけない、皮質汚れは落とさなければいけない」とうたっています。
対する宇津木先生は、次のように言っています。
人間なら死んだ時点ですべての役割を終えますが、皮膚の細胞は死んでからが、いわば「本番」です。そのあと角質細胞となって、保護バリアとして大活躍するわけです。・・・
角質細胞もまた、下からやってくる新しい角質細胞によって徐々に押し上げられて、10日前後で最上部に到達します。この間、バリア機能をになうまでに成熟した角質細胞は皮膚の表面で3~4日間、乾燥や外界の刺激から肌を守る役目を果たしたあと、垢となってはがれ落ちます。
古い角質こそが肌を守るためのバリア機能を持っているのに化粧品メーカーが言うように、角質を毎日落としてしまえばバリア機能がなくなってしまい、乾燥肌や肌トラブルになっても当然ということです。
化粧品をペンキと同じもとして考えれば化粧品メーカーがいうことはよくわかります。
綺麗にペンキを塗る場合は、古いペンキを落として、油分が残っていれば綺麗に脱脂してペンキを塗る。
化粧品も綺麗に見えるようにしようと思えば、角質がめくれてこないように落として皮脂を落とす。綺麗なメイクのためには仕方のないことと言ってしまえばそれまでですが、それと引き換えに失っているものも沢山あるんじゃないでしょうか。
化粧をしている女性のほとんどが乾燥肌に悩んでいるというデータが、その答え全て。
乾燥肌であるということは、壊れている肌。壊れている肌というのは、回復力が弱い肌であり、シミ、シワができやすい肌。
化粧水やクリームがあるからいいのよという方もいるかもしれませんが、またまた宇津木先生の本から抜粋すると
水溶性の保湿因子と脂溶性の保湿因子、つまり2種類の自家保湿因子は、ともに垢となって脱落する3~4日前に最高の保湿機能を持つまでに熟成するわけです。細胞の層としては2~3枚分です。角層の最上部のこの部分が、角層のバリア機能をになう主役なのです。そこに含まれる熟成した自家保湿因子は、何十万円もする化粧品でも太刀打ちできない、素晴らしい保湿力をそなえています。
・・・・
「肌に足りない成分は化粧品で外から足せばよい」という考え方は、自家保湿因子のすばらしさだけでなく、そもそも角層の奇跡的な構造を無視した、あまりにも単純すぎる発想です。
ということが書かれています。
美肌において無茶が効くのは20代まで、30代、40代になれば、肌のターンオーバーの期間も伸びるようですから、早く化粧品に対する考え方を変えないと早くシワッシワッになってしまいますよ。
最後にもうひとつ、資生堂のページにあった記述から
洗顔に”最適な温度”って?
洗顔時は、水もしくは、ぬるま湯を使うことを推奨しています。これは、洗い残しがないよう、ていねいに洗顔を行っていただくためです。熱すぎるお湯を使うと、汚れといっしょに肌のうるおい成分まで流れ出てしまうことがあるので、注意しましょう。お使いいただく洗浄料のタイプに合わせて、最適な温度で洗顔を行ってください。
ちなみに、「フルメーク ウォッシャブル ベース(FWB)」を使った場合のメーク落としは、40度のお湯が目安です。洗顔にしては温度が高めなので不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは日中に汗をかいてもメークが落ちないよう工夫された、最適な温度なのです。お風呂に入って気持ちいいと感じるくらいの温度を心がけましょう。
この文章って、皆さんはどうとらえます?
「熱すぎるお湯を使うと、汚れといっしょに肌のうるおい成分まで流れてしまう・・・」とあるのに、洗顔料のタイプに合わせて最適な温度でとあります。
これらの文章は、肌にとって最適な洗顔の温度ではなくて、化粧を落とすために最適な温度ですからね。
宇津木式スキンケアでは33~35度程度と推奨されています。それを資生堂のページでは、「フルメーク ウォッシャブル ベース(FWB)」を落とす場合40度が最適となっています。化粧のためなら肌は犠牲にするのは仕方がないということですからね、文章の意味を読み違えてはいけないです。
実際、宇津木式スキンケアを実践するために、温度計を買って、33~35度と38~40度ぐらいで洗顔後の違いがどうかというのをやっていましたが、洗顔フォームを使わなくても38~40度という温度は皮脂を落としすぎる温度であるというのがよくわかりました。
高い温度でも十分に皮脂を落とせるのに、そこにさらに界面活性剤をたっぷり含んだ洗顔フォームを使えば肌にとっては破壊力十分です。
33~35度の温度で、洗顔フォームを使わず落とせる範囲で十分です。洗顔フォームでスッキリすることになれていると、全然皮脂が落ちてないような感覚になると思いますが、十分に落ちていないと感じぐらいの皮脂が残っている状態でも、タオルで水分をふき取ってみればちょうどいいぐらいの油分が残った肌と感じると思います。
適度な油分が残っているから水分の蒸発も防げますし、過剰に皮脂を出さなくてもいいから毛穴もでかくならなくてもいいようになります。
化粧ばっちりでも、乾燥肌、肌を気にして肌ケアやりすぎちゃっていそうな人の肌ってやっぱり見ているとわかりますからね。
保湿に頼らなくてもいい肌づくりはじめません?