ミズノから発売されているわらじの知恵を取り入れた「ミズノ ウェーブリバイブ」シリーズのウォーキングサンダル。
このウォーキングサンダルは、昔の人は長距離をよく歩いていたけども、なぜ歩けたのか?例えば、江戸日本橋から京都の三条大橋までの約490kmを二週間程度で歩いていたというような記録があり、一日にすると約35km程にもなるのに毎日歩けたのはなぜか?
そんな疑問を持ったときに、調査をしていけば「わらじ」に秘密があるんじゃないかということで、商品開発を行なったミズノ。その効果を検証するために、東京大学大学院深代研究室協力のもと、「素足、一般的なウォーキングシューズ、ウェーブリバイブ」の歩きやすさ(膝関節トルクの差)を調べてみるとウェーブリバイブが一番よかったという結果に。
というようなことがホームページで紹介されています。
私の場合、紹介ページを見てなんとなく良さそう程度の理解でウェーブリバイブを買ったわけですが、実際に履いてみると。確かに歩きやすい。歩くよりもジョギングのほうがよりわかりやすいかな。
ただ、歩きやすい、ジョギングしやすいというは体感として分かるけどその仕組みを具体的に理解したわけじゃないんですよね。まぁ、効果はあるんだし別にそれ以上仕組みがどうかってはわからなくてもいいかと、深く考えずにウェーブリバイブでずっと、ジョギングを続けていたわけですが、ある日気付きました。その仕組み。
その日もジョギングをしようと考えていたのですが、直前まで雨。天気予想を見るとそれ以上は降りそうになかったのでジョギングに出かけようとしたのですが、路面が濡れている。ウェーブリバイブだと、靴下塗れちゃうので、普通のジョギングシューズでジョギングをスタート。
すると、すぐに足のつま先に違和感が・・・ウェーブリバイブに慣れてると、普通のジョギングシューズがめちゃめちゃ走りにくい。
ウェーブリバイブと、普通のジョギングシューズでは、つま先の力のかかり方が全然違うということに気付きました。
どんな違いがあるかを図にしてみました。
これから説明する図の赤線、青線の矢印は力のかかる方向です。力の分量は示してません。それとかかとにかかる力については無視してあります。
◆図-1:まず最初に、普通に立っている時、つま先側には2箇所力がかかっています。力を込めているという感覚がなくてもこけずに立っているといことは、力がかかっています。床に立っていられるということは、床を押す力とそれを押し返す力のバランスがとれているからこけずに立っていられる。押す力が強ければ、床に足がめり込みますし、その逆なら押し上げられるので後ろにひっくり返ってしまいます。物理の作用・反作用っていうやつですね。
◆図-2:次に家の中に2~3cmぐらいでも段差があるところがあれば、そこに指の付け根を引っ掛けるような形で立ってもらうとわかるのですが、自然と指先が下を向きます。指先が下を向くと力がかかる方向が変わります。このときも、指先に力を入れているという感覚はあまりないと思います。このとき、指先を段差に、より密着させるように足を置くと、指先が角をつかもうとする感じになります。これがウェーブリバイブで楽にあるくためのポイントになります。
ここでもう2つほど力のかかり方に関する検証を。
図-3のように、足の指先をリラックスした状態から手の指で足の指が上向きにそるように押していくとどんな感じがしますか?
足の指に力を入れている感覚は無いけども、手の指のほうは、力を入れて足の指を押していませんか?この手の指を地面に置き換えて考えると、足の指先は、曲げられるともとに戻ろうとする力が自然に無意識に働きます。
次に壁に30cmぐらいの隙間を空けて立ってください。そして、手の甲を壁に力を入れて30~60秒程度押し付けてください。時間がたったら、壁からさらに離れて、壁に押し付けていた腕はリラックスしてください。
面白いことに、腕を上げようと力を入れていないのに、腕が勝手に上がっていくんです。力を入れるという命令がすぐには解除されないから自然に腕があがるんですよね。
これらの図-1~図-3までと壁押し付けの実験からの話を総合して、ウェーブリバイブの歩きやすさの説明をするとこのようになります。
◆図-4:普通のジョギングシューズの場合、つま先にかかる2箇所の力(赤線、青線)は、体を支える力にはなるけども、前進する力にはなりません。なので、意識的に体を前に移動させるための別の動きが必要です。歩きやすさを考えると、赤線、青線の2軸あるというのは、足を前方に移動させるのを妨げているかもしれません。赤線の1軸のほうが進みやすい。
図-4のイメージをシンプルに考えたものが下図です。
Aの状態は、赤線1軸の場合。Bの状態というのは、赤線と青線の2軸があるイメージです。回転のさせやすさなら断然「A」のほうですよね。2軸あるってのは、回転しにくい。人の体の構造としては、2軸は変えられないから前に進みやすくするための仕組みが必要となってきます。
◆図-5:普通のジョギングシューズもで、楽に前に進めると感じる場所は、坂道です。これは力をつま先側の力を入れる方向が垂直から前方向に傾くからですよね。常にジョギングコースが下りの坂道ばっかりだったらうれしいですが、それは無理。
図-6:じょあ、どうすれば足を前進しやすくなるかという答えがウェーブリバイブ。平地でも最初から指先側の力の方向が前向きになるような構造になっていますので、その力が足を前に出しやすくします。
「壁に手の甲を押し当てる」実験から感じたのは、体がある方向に力を入れないといけないと思いこむと、力を入れるという意識をしなくても体はその動 きをし続けるということ、これを足の指先で考えると、人間が立っているときには、足の指先は、常に地面を押し続けてバランスをとるという仕事をしていま す。この指先の仕事は生まれてから立つことができるようになってからずっとやっているため、無意識の領域で行なようになってます。
つまりは、足の指は人が立っていてそこに地面があれば、押したくてたまらないということ。それが水平だろうが斜めであろうが。
ウェーブリバイブは、この指先の仕事の力のベクトル(方向)を変えてあげることにより、垂直に立ち続ける力を前進する力に変化させる歩いたり、ジョギングしたりするのに適したシューズになってます。
このウェーブリバイブのシューズの力をさらに有効に使うための体の動きについては、また次回・・・